アニサキス症
以下の項目に該当する方は、アニサキス症の疑いがあります!
- 新鮮な魚介類を食べてから胃が痛くなった
- みぞおち(上腹部)に強い痛みを感じる
- 嘔吐・ひどい吐き気を感じる
- お腹に張りを感じる
アニサキス症とは
アニサキスは寄生虫(線虫)の一種であり、イカ・サバなどの魚介類の内臓に寄生しています。アニサキスが寄生した魚介類が死亡し鮮度が落ちる事で、アニサキスは内臓から筋肉へ移動します。そのアニサキスが寄生している魚介類を十分な加熱処理をしないで食べる事で、胃痛や吐き気などの症状を引き起こします。お刺身やお寿司を食べる際はよく噛んでから食べるなどの注意が必要となります。
アニサキスは人間の体内では長く生息できないので、アニサキス症を発症しても数日程で胃痛や吐き気などの症状は治まります。しかし、稀ではありますが重症化する事もありますので、胃痛が続く、吐き気が何日も治らないなどの症状を発症している方はお早めにご相談ください。
アニサキスの感染経路
アニサキスは魚介類やイルカ・クジラの体内に生息しています。幼虫はサバ・アジ・イワシ・サンマなどの青魚や、イカ・サケなどに寄生しており、その刺身を食べる事で感染します。人間の体内に侵入したアニサキスは、胃壁や腸壁に突き刺さる事で我慢が出来ない程の胃痛や吐き気などの症状を引き起こします。十分に加熱処理されていない魚介類を食べた後に、激しい腹痛や嘔吐などの症状が発症した場合は早急にご相談ください。
アニサキスが原因となる疾患
アニサキス症にはいくつかの種類に分類されます。
胃アニサキス症
生魚の食事後、数時間~十数時間後に激しい腹痛や吐き気・嘔吐が発症します。アニサキス症の特徴は一定の間隔で腹痛を発症したり落ち着いたりと繰り返します。 胃内に入り込んだアニサキスは、胃の粘膜に虫体の先端を突き刺します。激しい痛みは、突き刺さっている事で起きていそうですが、実際はアレルギー反応によって起こっているとされています。 症状が悪化する場合は発熱やじんま疹などを伴います。
腸アニサキス症
生魚の食事後、半日~数日後に下腹部への痛みや嘔吐や吐き気を発症します。症状が悪化した場合は腸閉塞や腸穿孔(腸壁に穴が空く事)、腹膜炎などの合併症を引き起こす事があります。
アニサキスアレルギー
アニサキス症とアレルギー反応は関連がある事が分かっています。じんま疹、アナフィラキシーショック、血圧低下や呼吸困難などの症状を引き起こします。
アニサキスの検査方法
内視鏡検査
アニサキス症が疑われる際は内視鏡検査(胃カメラ検査や大腸カメラ検査)で胃や腸管の中にいるアニサキスを直接取り除きます。アニサキス症の大半が胃アニサキス症であり、胃カメラ検査を行う事の方が多いです。当院では胃カメラ検査も大腸カメラ検査も行っています。詳細については当院HPの「胃カメラ検査ページ」「大腸カメラ検査ページ」をご参照ください。
アニサキスの予防方法
アニサキスは十分な加熱(70℃以上もしくは60℃で1分)や冷凍(−20℃で24時間以上)で死んでしまうので、火を通したものや冷凍保存されたものを食べれば安全です。 アニサキス幼虫は寄生している宿主の魚が死んで時間が経過すると、内臓から筋肉に移動します。魚を調理する時は、新鮮なうちに速やかに内臓を取り除き、内臓は生で食べないようにしましょう。 また、アニサキスの大きさは約2cmくらいであり、肉眼でも確認する事が出来ますので、生魚を食べるときには十分に注意しましょう。