便秘

以下のような症状でお悩みの方はご相談ください

数日間、排便していない
数日間、便意を感じない
排便するのに時間が掛かる
力まないと便が出ない
排便後も残っている感じる(残便感)
便が硬くなかなか出ない
お腹が張り苦しい
腹痛が続く

便秘とは

便秘とは数日間排便がなく、腹痛などの症状を引き起こす状態です。排便習慣や排便回数には個人差があり、必ずしも毎日排便をしていないからといって、便秘と診断される訳ではありません。１週間に１度の排便でも、腹部の症状を感じる事がなければ治療が不要となる事もあります。

便秘の発症原因

便秘の発症には主に「器質的な原因」と「機能的な原因」の二つがあります。

器質的な原因とは

腸管内で発症する疾患が原因で、便の通過の邪魔をする為に発症する便秘です。便の通過を邪魔する代表的な疾患として、大腸がんや腹腔内腫瘍、潰瘍性大腸炎、クローン病、虚血性大腸炎などの疾患が挙げられます。

機能的とは原因

便を体外に運ぶ腸管の運動（蠕動運動）に異常が発症し、便が硬くなる（便中に含まれる水分が腸管内へ過剰に吸収される）事が原因となって発症する便秘です。機能的な原因では不規則な生活、ストレス、糖尿病や甲状腺機能低下症などの内分泌・代謝系に異常をきたす疾患、パーキンソン病やアミロイドーシスなどの神経・筋肉系に異常をきたす疾患、医薬品などが原因となり発症します。

また上記2つ以外でも、直腸まで便が運ばれているが、神経系に異常が生じ排便する事ができない排便障害もあります。

便秘の診断方法

先ずは発症している症状の問診を行い、その問診内容によって腹部の診察、血液検査、腹部レントゲン、CT検査、腹部エコー検査、大腸カメラ検査などを行い便秘の原因を特定します。診断する際には、「器質的な原因」によって便秘が発症しているかどうかがまずは重要です。なぜなら器質的な原因で便秘を発症している場合は、便秘を引き起こしている原因疾患の治療が最優先となるからです。腸管の閉塞や大腸がんなどの疾患は診断が遅れることで、病状が進行してしまうリスクがあります。特に大腸がんの罹患者数は近年増加傾向にあり、がんの部位別死亡者数で大腸がんは「女性が第1位」、「男性が第3位」となっています。大腸がんを早期の段階で見つける為には大腸カメラ検査を行う事が推奨されています。

※便秘の警告徴候

最近排便異常を発症した方
急に体重が減少した方
大腸がんの家族歴がある方
血便症状が発症している方
５０歳以上の方

これらの項目に該当する場合は大腸がんなどのリスクが高くなるため、お早目にご相談ください。

治療方法

便秘治療では規則的正しい食事、水分摂取、適度な運動といった生活習慣の改善がまずは大切です。便秘の治療薬にはいくつかの種類があり、発症している病状に合わせて適切な医薬品を選択していきます。市販薬など安易な便秘薬の使用はかえって重度な便秘へと繋がる恐れがあるので注意が必要です。

薬物療法

塩類下剤と大腸刺激性下剤が処方される事が多いですが、特に大腸刺激性下剤の乱用が難治性の便秘へと繋がる事が問題視され、近年では薬物療法の選択肢も変わってきました。塩類下剤系の下剤は便を柔らかくし排便を促します。大腸刺激性下剤は腸管の蠕動運動を刺激し排便を促します。ただ大腸刺激性下剤は腹痛を生じる事もあります。当院ではその他の下剤も処方していきますので詳しくは診察時にご相談ください。