下痢

以下のような症状でお悩みの方はご相談ください

水様、泥状の下痢が長期間続く
トイレから離れられないほど頻繁に下痢が続く
下痢に血が混じる
腹痛を伴う下痢が長期間続く

下痢とは

便中に含まれてる水分量が増加してしまい、便としての形を保たないで液状または泥状の便が排出される状態です。下痢の発症原因は様々あり、大腸がんや炎症性腸疾患（潰瘍性大腸炎やクローン病など）が原因の事もあります。下痢は体の不調を示す見落としてはならない兆候であり、決して軽視できる病気ではありません。下痢が続くと脱水症状を引き起こしたり、人が生きていく上で必要となる電解質やタンパク質などの栄養素も失う事にも繋がります。

発症原因

腸管の水分吸収量の減少（腸管蠕動運動の異常）

便は腸管内において便中に含まれる水分が吸収され形成されます。腸管内で発症する病気や別の病気の治療目的で服用している薬が原因となり、腸の蠕動運動が活性化する事があります。蠕動運動が活性化し、亢進状態となると便は腸管内での滞留時間が短くなり、水分の吸収量が低下し液状または泥状の便となってしまいます。

腸管壁の炎症（腸管のむくみ）

腸管壁で炎症が発生すると、その腸管壁の組織中に含まれる組織液が腸管内に流れ出てしまい、便中に含まれる水分量が増える事で下痢を発症します。炎症の原因としては炎症性腸疾患（潰瘍性大腸炎やクローン病）や膠原病などが挙げられます。

感染性腸炎

急性の下痢で一般的に良くみられます。大腸菌、サルモネラ、腸炎ビブリオ、カンピロバクターなどの細菌、ロタウィルスやノロウィルスなどのウイルス、その他真菌や寄生虫などの感染が原因となり下痢を発症します。

医薬品が原因で発症する腸炎

細菌感染症治療の目的で抗生剤が使用されますが、抗生剤は腸管内で偽膜性腸炎や出血性腸炎を引き起こす事があります。また抗生剤以外の医薬品でも下痢を引き起こす事があります。

ストレス等の心身の不調

腸管機能は自律神経系と密接に関連しています。精神的なストレスや過度な緊張・不安状態が続く事で自律神経系に異常が生じて下痢を発症する事があります。

生活習慣の乱れ

暴飲暴食やアルコールの過剰摂取など、生活習慣の乱れは下痢を引き起こす事があります。

下痢によって引き起こされる他の症状

下痢が発症すると体内の水分量が減少してしまい、脱水症状を引き起こす事があります。脱水症状の初期症状は、口の渇き、立ちくらみ、低血圧、手や足に力が入らない、手足のしびれなどです。また、脱水症状が進行すると腎臓や心臓にも負担が生じ、腎不全や不整脈など循環器系にも影響を及ぼします。

治療方法

薬物療法

細菌やウイルスなどの感染症が原因で下痢が発症している場合は、その原因となる細菌やウィルスを体外に排出する必要があります。下手に下痢止めを服用してしまうと、原因となっている細菌やウイルスが体外へ排出されずに体内に残ってしまい、更なる症状の悪化に繋がります。下痢の状態に応じて、全身状態をみながら適切な医薬品を処方します。細菌性腸炎の場合は抗生剤が必要となる事がありますが、実際に必要とするケースはあまり多くありません。

水分補給、必要時には点滴

細菌やウイルス感染の有無に関わらず下痢が発症している場合には、脱水症状の予防を目的に十分な水分補給が重要です。特に感染性腸炎など急性の下痢が発症している場合は、体内への吸収が良い経口補水液やスポーツドリンク等を飲むようにしてください。経口摂取が出来なかったり、下痢がひどく脱水が疑われる場合には、点滴を行います。