高尿酸血症(痛風)

以下の項目に該当する方は要注意です

  • 足の親指が赤く腫れて痛む
  • ビールを好んでよく飲んでいる
  • 魚卵(いくらなど)やレバーをよく好んで食べる
  • 健康診断で尿酸値が高いと指摘された

上記のような項目に該当する方は、高尿酸血症の可能性があります。当院では生活習慣病の診察・治療にも力を入れております。気になる症状がありましたら、お気軽にお申し付けください。

痛風とは

血液中を流れている尿酸が基準値よりも高い状態が続くと高尿酸血症と診断されます。過剰にある尿酸が血管内で蓄積し結晶化することで激痛が生じますが、それを痛風と言います。(痛風は高尿酸血症の合併症の一つです)

痛風発作がよくみられる部位は、足の親指の付け根や足の甲です。高尿酸血症は、中高年の男性によくみられる病気でしたが、近年では食生活が大きく変わり、20~30代の若い男性にもみられるようになりました。

痛風による合併症

血液中を流れている尿酸が 7.0mg/dL以上の状態が続いてしまうと、以下のような合併症を引き起こすと言われています。

  • 関節内で尿酸が溜まると
    痛風性関節炎(よく知られている痛風発作)が生じます。足先や手先のように冷えやすい部位は尿酸が結晶化しやすく、痛風発作がよく生じてしまいます。
  • 尿路内に尿酸が溜まると
    尿路内で尿酸が結晶化してしまうと尿管結石・膀胱結石が生じます。
  • 腎臓内で尿酸が溜まると
    腎臓で尿酸が結晶化してしまうと慢性腎不全が生じることがあります。

尿酸値が高い方は血糖値や血圧などが併せて高い場合があります。そのため心疾患(心筋梗塞など)、脳血管疾患(脳梗塞など)のような命に関わる病気を引き起こしてしまう場合もあります。

痛風の発症原因

食べ物や飲み物の中にはプリン体という成分が含まれており、そのプリン体が体内で分解される過程で尿酸が産出されます。そのため、高尿酸血症・痛風発作は普段の食習慣が発症に関わっています。

食事が原因で高尿酸血症・痛風発作が生じている場合は、プリン体を多く含む下記のような食べ物・飲み物の過剰摂取は要注意となります。

  • ビール
  • 動物の内臓(レバーなど)
  • 魚の干物
  • 干し椎茸
  • いくら、白子などの魚卵
  • エビやイワシなどの魚介類

上記以外では、生まれつき腎臓機能が悪い方・他の病気が原因で腎臓機能が低下している方は、体外に尿酸を排泄できず体内に尿酸が必要以上に溜まってしまい、高尿酸血症や痛風発作が生じてしまうことがあります。

痛風の治療方法

生活習慣の改善

普段の生活習慣・食事習慣の改善が最優先となります。下記のような項目を普段から意識して生活しましょう。

  • ビールなどのアルコール類の過剰摂取
  • 動物の内臓(レバーなど)の過剰摂取
  • 魚の干物、干し椎茸、魚卵などの過剰摂取
  • エビ、イワシなどの過剰摂取
  • 水分補給
  • 定期的な有酸素運動(ジョギングやウォーキングなど)

薬物療法

痛風発作で痛みを感じている場合は、痛みを抑えるために鎮痛薬を処方します。発作が落ちついた後、尿酸排出を促す薬や、尿酸生成を抑える薬を処方していきます。

お問い合わせ

高尿酸血症・痛風の発症には普段の生活習慣・食事習慣が大きく関わります。会社の健康診断や特定健診で尿酸値が高いと指摘されても自覚症状は感じないので、わざわざクリニックを受診する人は少ないかと思います。ただ、治療せずに放置していると足に痛みを感じたりと普段の生活に支障をきたす場合もありますのでお早めに受診することを推奨します。

病気の治療では早期発見・早期治療が大切です。尿酸値が高いと指摘された方は決して軽視せず、お気軽にご相談して頂ければと思います。